理系就活生に必須アイテムのA4研究概要について
誰が読んでどう使われるのかを解説します!
このページでは企業で研究職に就いている”とまてん”が、理系学生の就活における必須アイテム「A4研究概要」の書き方について紹介します。
A4研究概要を書く前に、この書類は誰が読むものなのか、またどのように採用活動に利用されているのかを知っておきましょう。
これを知っておくことでA4研究概要で書くべき内容をイメージしやすくなるはずです。企業側の意図をくみ取った採用担当者の目を引く研究概要を作っていきましょう!
A4研究概要を誰が見るのか
これは企業によって様々だと思いますが、多くの場合
- 人事部の採用担当者
- 研究開発や専門部署の部課長
が読み手になることが多いです。
人事の方なら一次面接、研究の管理職の方なら技術面接という感じで、彼らがあなたの面接官になります。
選考スキームも企業によって様々だと思いますが、大体の企業で読み手がどんな人かは一般化されています。
どんな目的で採用活動に使われるのか
では彼らがA4研究概要をどのように活用するかというと、
- 採用担当者が一次面接に呼びたい人を選ぶ
- 研究部署の管理職が技術面接に呼びたい人を選ぶ
- 技術面接での質疑応答のネタに使う
このあたりですね。
面接に呼びたい人を選ぶ
A4研究概要は履歴書やESと同じく、書類選考に使われるあなたの説明書です。
なので、A4研究概要を読んで「この人はできるヤツだな」「面接で話してみたいな」と思ってもらえる書類を作らなければなりません。
面接での質疑応答のネタに使う
A4研究概要の内容から面接での質問を考えるわけですね。
ESや履歴書と同じように質疑応答のネタに使われます。
(1)人事の採用担当者が読む場合
彼らは主に一次面接や集団面接のような、いわゆる人事面接を担当します。
こうした面接で大学での研究内容について深堀りされるのは珍しいことかもしれません。
しかしながら「研究でどんなことを頑張ってきたか」「自分の強みを発揮できたところはどこか」なんかは訊かれるかもしれません。
(2)研究部門の管理職が読む場合
一方で、彼らは技術面接で面接官になる人たちです。実際のところ彼らが読み手になることの方が多いかもしれません。
技術面接ではA4研究概要をベースにした研究内容の説明とそれに対する質疑応答が主に行われます。
面接官はあなたが
- ちゃんと自分の研究について理解しているか
- 主体的に取り組んでいるか
- 研究者としてのスキルがあるか
などを見ています。もちろん同時に人柄も見られていますけどね。
また、彼らも研究分野のプロなので深く掘り下げた内容について質問をしてくると予想されるので、A4研究概要を作りながら「こういうところは質問されそう」「逆にここは深く聞いてほしい」など考えておくと良いでしょう。
質問に対する回答も用意できると一石二鳥ですね。
読み手を踏まえて意識したいこと
読み手が人事部の採用担当者なら文系出身の人かもしれません。理系出身でもあなたの専門とは畑違いの人かもしれません。要するにど素人ですね。
一方、研究部門の社員は理系出身がほとんどで、人事部の採用担当者よりは自然科学というものについての理解が深いでしょう。
ただ、研究所の人間であったとしてもあなたの研究分野とドンピシャの人に読まれるのはレアケースだと思います。なんとなく理解できるレベルの人が多いのが現状でしょう。
いずれの場合でもA4研究概要を書くために意識したいこととして共通して言えることは、
誰が読んでも理解できる書き方にする
ということです。
つまりあなたの研究の意義や面白さについて、素人が読んでもわかるように説明しなければなりません。
採用担当の社員は文系出身の方も多くて素人も同然と思っておいて間違いないですし、研究部門の人であってもあなたの専門分野については全く詳しくない人もいます。
なるべく簡単な文章で、専門用語もできるだけ減らして書くことを心掛けたいです。
素人に研究を説明する必要性
実はこの「素人にもわかるように説明する」ことも企業で研究者として働くためには必要なスキルです。
研究の「け」の字も知らないようなお偉いさんに対して
- 「この研究は〇〇なので社会的意義があります」
- 「△△という効果があるので儲かります」
- 「××のために必要なのでこの装置を買わせてください」
などと説得しないといけないんですね。
A4研究概要を書くことはこうしたスキルを見るためのツールと思っていても良いでしょう。
最後に
相手に伝わる文書を書くためには
1.誰に読んでもらうのかを理解しておく(ターゲットが誰かを知る)
2.文章は読み手のレベルに合わせる(ターゲットの目線を考える)
この二つが基本になります。
社会人にとっても重要なスキルですし、就活で学んで身につけられるチャンスなので敬遠せずに取り組んでいきましょう!
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