このページでは企業で研究職に就いている”とまてん”が、理系学生の就活における必須アイテム「A4研究概要」の本論の書き方について説明します!
私が実際に研究職を志望して就活をした時に意識していたことを紹介しますので、研究概要を書く時に参考にして内定を勝ち取りましょう!
本論を書く前におさらい
A4研究概要の本論を書き始める前に基本構成についておさらいです。
A4研究概要も研究内容を説明する文書であることには変わりありません。つまり、学術論文や学会要旨のように
- 序論
- 本論
- 結論
の3段構成で書くことができます。
ただ、学術論文や学会要旨と同じように書くものではありません。A4研究概要には各項目で独特な書き方のコツがあります。
ここでは本論でどんな内容を書くべきか見ていきましょう。
本論で書くこと
本論はあなたが実際に研究を行った結果を示すところになります。序論で述べた仮説の検証について説明していく項目になります。
ここでは私が実践していた本論を書く時の注意点を紹介します。
情報量は最低限に
本論ではもちろん仮説の検証や実験結果を盛り込んでいくわけですが、一番気を付けたい点は
データ量を最低限にして伝える情報を絞ること
ですね。
理系の研究者にありがちなんですが、自分が出した実験データを披露したい気持ちを抑える注意が必要です。実際、説明したいデータがたくさんある時にあれもこれも入れ込んでしまうと何が一番重要なデータなのかが分からなくなってしまうんですね。
あなたの研究背景について詳しくない人に読んでもらう文書になることを考えると、本論よりも序論(イントロ)の方が圧倒的に大事です。その研究の魅力や面白さを限られたスペースで分かりやすく伝える能力を研究概要から判断したいので、イントロが全体の半分くらいを占めていても問題ないです。
そして何と言っても情報量が多いと読む側が大変です。専門じゃない人の立場で考えると、よくわからない研究についてごちゃごちゃ説明されてもなかなか理解が追いつきません。主題が霞まないようにあなたの研究の要点を端的に説明する方が重要なのです。
A4研究概要では実験・検討内容は薄くても十分です。A41~2枚で書かないといけないので、
- 一番肝になったデータだけを書く
- そこを詳しく説明する(説明の肉付けをしていく)
という感じで文章を組み立てていきましょう。これで研究内容を説明できる最低限の文章量になります。
また、提出する研究概要はA4一枚の場合二枚の場合がありますが、文章量の調整は主にこの本論で行えば良いです。A4一枚版をまず作成し、そこからプラスの情報(二番手、三番手に言いたいこと)を付け加えて文章量をコントロールすればA4二枚版もスムーズに作成可能です。
図表やグラフを用いて一番の売りポイントを示す!
A4研究概要の限られたスペースで書ける文章量に限りがありますが、文字だけで細かく説明するより図表やグラフを用いて説明した方が分かりやすい場合が多いです。研究を説明する場においても一般的なことですが、視覚的にアピールすることは重要ですね。
学会発表や学術論文で使った図表やグラフをそのまま転用してもいいのですが、ちょっと工夫を加えるだけで印象が大きく変わります。
- 英語表記は日本語に書き換える(日本企業へ提出する場合)
- 読み手に見てほしいデータを目立たせる
- 吹き出しを書き加えて「ここが大事!」というポイントを補足説明する
など、お堅い書類ではやらないような手法を使うことで、詳しくない人に対する説明のしやすさがアップします。うまく活用すれば余計な説明が省略でき、文章量も抑えられる=A4のスペースに収まるようになりますね。
工夫したところやエピソードも交えて
学術論文のようなオフィシャルな文書とは違ってあなたが研究を進めるうえで工夫したところやエピソードを書いても大丈夫です。ESで書くような具体的なエピソードを交えて書く感じですね。
これは必ずしも書かないとダメというわけではないですが、書いた方が淡々と説明するよりストーリー性があって読み手をより引き込むことができます。
最初は全然良い結果が出なかったけど、○○を考えて××を試したところ望みの結果が得られた。
当初は○○と想定して研究を進めていたけど、予想に反して××という結果が得られた。
よく使われるフレーズですが、こういうのを使わないと「最初から結果が分かっていました」という単調な文章になってしまうので気を付けたいところです。研究の説明でも話の抑揚をつけることが大事なんですね。
また、研究の説明にエピソードを交えることであなたの人柄が垣間見えるような文章になります。そういう使えるネタがある人はガンガン使っていきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
研究を説明するという点に関しては学術論文や学会要旨と同じなのですが、A4研究概要では意識するところが少し違います。
「自分の研究内容をあれこれ説明したい!」「ドヤァしたい!」という気持ちはグッと抑えて、専門外の人にわかりやすく説明することに意識を集中しましょう。
そして採用担当者の目に留まる読みやすい研究概要を書いて内定を勝ち取りましょう!
次は最後の「結論編」です↓
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